展覧会紹介

京都の高山寺(こうさんじ)には、中興開祖・明恵(みょうえ)上人(1173〜1232)にまつわる文化財が数多く伝わっています。12,000点にもおよぶ典籍文書、仏画を中心とする多種多様な絵画、優れた仏師たちが手掛けた彫刻、明恵が生きた時代の息吹を感じさせる工芸品や建築など、驚くべき質と量を誇ります。本展では、明恵の生涯とその教えをたどりつつ、最も親しまれている国宝「鳥獣戯画」をはじめとする高山寺の貴重な文化財の数々を紹介するとともに、それらの伝承を担ってきた高山寺という希有な寺院の実像に迫ります。

章構成

  1. 国宝 鳥獣戯画
  2. 明恵上人ー高山寺中興の祖
  3. 高山寺に伝わる至宝と典籍
  4. 近現代の高山寺

国宝

鳥獣戯画 甲・乙・丙・丁巻(部分)
平安〜鎌倉時代・12〜13世紀 京都・高山寺蔵

甲巻動物たちが大活躍 あの有名な場面はこの巻にあり
第16~18紙部分、7/17~7/28展示

乙巻日本と異国、そして霊界の動物たち その生態と仕草を活写!
第26~28紙部分、8/6~8/18展示

丙巻前半は和やかな人物戯画、後半は賑やかな動物戯画
左:第5紙部分、8/20~8/25展示 右:第14~15紙部分、8/27~9/1展示

丁巻笑い所満載 奔放な筆遣い、実は名人の技
第1~3紙部分、8/20~25展示

作品保護のため、「鳥獣戯画」の場面替え、絵画・典籍文書の展示替えをおこないます

春日明神の使い 阿吽あうんを示す雌雄の鹿

明恵が春日大社を参詣した時、30頭の鹿が明恵に向って伏したという逸話を思い起こさせる。

重文

神鹿しんろく

鎌倉時代・13世紀

日本最古の字典 天下の孤本

中国の字典にならって日本で編まれた漢字字典の、現存最古の写本。学問の寺として栄えた高山寺には、貴重な研究書が大量に集まった。

国宝

篆隷万象名義てんれいばんしょうめいぎ

平安時代・永久2年(1114)

40年書き続けた明恵の夢日記

明恵は、夢を神仏からのメッセージととらえ、青年の頃から最晩年まで記録し続けた。

重文

夢記ゆめのき 第十編明恵筆

鎌倉時代・承久2年(1220)〜貞応2年(1223)
前期展示

国宝

明恵上人像(樹上坐禅像)

鎌倉時代・13世紀 京都・高山寺蔵
後期展示

明恵の心の母

幼くして父母を亡くした明恵は、仏眼仏母を母と慕った。24歳の時、この像の前で自らの右耳を切り、修行に邁進する決意を固めた。

国宝

仏眼仏母像ぶつげんぶつもぞう

平安〜鎌倉時代・12〜13世紀
前期展示

画像提供:東京国立博物館 Image: TNM Image Archives

明恵が愛した高山寺のマスコット

明恵が飼っていた黒い犬を模したとされ、明恵やその弟子はもちろん、高山寺を訪れた文化人たちも撫でて可愛がったという。

重文

子犬

鎌倉時代・13世紀

土門拳が撮った、門外不出の明恵像

高山寺開山堂の《明恵上人坐像》(重文 鎌倉時代)の写真。本像に色濃く残るといわれる明恵の面影を生々しくとらえた、迫真の一枚。

高山寺開山堂明恵上人坐像みょうえしょうにんざぞう全身撮影:土門拳

昭和40年(1965)頃 土門拳記念館蔵

明恵の「茶恩」に報いる近代数寄者たち

昭和6年(1931)、明恵を慕う茶人たちが高山寺に茶室と茶道具を寄進。雅やかな料紙と流麗な筆墨による茶道具の目録が制作された。

遺香庵常什寄進目録いこうあんじょうじゅうきしんもくろく起草 高橋義雄(箒庵) 作 田中親美

昭和6年(1931)

※所蔵先の記載がない作品はすべて京都・高山寺蔵