青木繁《海の幸》1904年
各々が手に銛(もり)を持ち、大きなサメのような獲物を担ぎながら行進する、裸の漁師たちの列。
その姿は、海の幸の豊穣を祝う原始的なエネルギーを感じさせます。
この作品は、28歳の短い生涯を天賦の才能で駆け抜けた伝説的画家、青木繁(1882-1911)の作品です。
1904年、青木は友人の画家坂本繁二郎、森田恒友、恋人の福田たねとともに、
千葉県館山市の布良海岸を訪れて、この作品を描いています。
同年、本作は第9回白馬会展に出品され、大きな反響を呼びました。
例えば、象徴派詩人の蒲原有明はこの作品に刺激を受けて、文芸雑誌『明星』に詩「海の幸」を発表しています。
現在でも、作品の持つ謎めいた魅力は、研究者やアーティストをはじめ、幾多の人々の心を捉えて放しません。
画面ほぼ中央で、こちらを見つめる印象的なまなざしの人物は、後に描き加えられたもので、
いつからか、その顔は恋人たねのイメージが重ねられているといわれています。
明治浪漫主義絵画を代表する青木繁の《海の幸》、ついに北海道初公開です。
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